NAGI-62 <2015秋号> 特集:手打ちを食す
特集
打ちたて茹でたて麺のうまさ
『手打ちを食す』
手軽に食べられ、老若男女を問わない麺類は、日本人が好きな日常食のひとつ。
日本の麺文化は、鎌倉時代に中国から僧によって伝えられた切麦(ひやむぎ)がルーツといわれ、のちに気候風土がソバ栽培に適した東日本では冷たいそばが、海運流通で昆布や鰹節などが入手しやすかった西日本では温かいうどんが好まれるように。
西に位置する三重県は、元々は〝うどん圏〟で北勢では愛知県の影響を受けて味噌煮込みやカレーうどんが、伊勢では極太麺と黒いツユの伊勢うどんが支持されるなど、独特の地域色がまだまだ健在。
近年は減反政策を受けて県内でも小麦やソバが栽培されるようになり地粉を使った麺どころも増えています。
秋は新そばの季節。
同時に、小麦は来年に向けて種をまくシーズンです。
全国チェーン店とは一線を画す、三重の麺職人渾身の手打ちそば・うどんをご賞味あれ。
<喉ごしのそば>
多彩な味わいをそばづくしのコースで/そば処大西(津市)
懐石料理人が作るそばとおばんざいを日本酒と/さんぼ(松阪市)
柿の葉を練り込んだもえぎ色のそば/柿右衛門(伊勢市)
住宅街の隠れ家で角の立った十割そばを/蕎麦家わたなべ(桑名市)
自家製粉した香り高い十割そば/そば.けいた(名張市)
古民家で味わう極細の冷かけ/我流菴かかかび(伊賀市)
上品な風味とコシの強さの決め手は尾鷲海洋深層水/長べや(尾鷲市)
<コシのうどん>
手打ちを貫くだし屋のうどん/めんくいくん(鈴鹿市)
メニューのないうどん屋/幸楽(四日市市)
創業38年のセルフうどん/このみ屋(いなべ市)
絶品カレーうどん/かめ吉(志摩市)
父祖伝来の讃岐うどん/小六(熊野市)
強腰の伊勢海老うどん/うどんやちゃん(伊勢市)
体験レポート そば&うどんの手打ちに挑戦
寄稿 「伊勢うどんはどっちでもええんとちがう」伊勢うどん大使 石原壮一郎
インタビュー いなべそばの伝道師 いなべ市長 日沖靖さん
三重県産小麦事情を聞く 平和製粉(株) 樋口宗明さん
☆前号からはじまった新シリーズも好評です。