NAGI-59 <2015冬号> 特集:伝統産業の未来 Future of Trad Industry
特集
「伝統産業の未来-あした-」
きっかけは四日市、萬古焼の急須でした。
性能の良さには一目置いていたものの、テーブルと椅子で暮らすスタイルには、正直言って合わない色とカタチだと思い込んでいたのです。
ところが、ところが…。
三重県の風土と歴史に育まれてきた伝統産業は、わたしたちが気付かない間にちゃんとアップデートされていました。
暖簾を受け継いだ当主の気概と、産業を守ろうとする職人たちのたゆみない努力によって。
伝統がひたすら過去を模倣するだけなら、未来には無くなってしまうでしょう。
ペットボトルのお茶が普及して以来、急須でお茶をいれる家庭が少なくなったように、人は放っておくと便利な方へと流されていくからです。
長い時をかけて蓄積された技術や連携力、道具としての「核」を追求しながら、現代に合ったプロダクトとして再構築されたモノたちは、地場産業の未来をほんのり照らします。
それを暮らしに取り入れる人が増えれば、なおのこと。
熱き職人たちが魂こめてつくる古くて新しい三重県の地場産品、あなたもおひとついかがですか。
【主な内容】
がんばれ!三重のローカル・プロダクツ
●鋳物
ごはん釜、鉄臼(桑名市・桑原鋳工)
●萬古焼
ウォーターリッド鍋で節水料理(四日市市・竹政製陶)
日本茶を手軽にベンリー急須(四日市市・南景製陶園)
型萬古の急須作り体験(四日市市・醉月陶苑)
防災土鍋、炊き出しくん(四日市市)
●伊勢型紙
「ISEKATA」印伝(鈴鹿市・鈴鹿市伝統産業会館)
伊勢型紙を建築、インテリアに(鈴鹿市)
●鈴鹿墨
まっくろけの墨(ぼく)のくっきぃ(鈴鹿市・進誠堂&小原木本舗 大徳屋長久)
●伊勢木綿をバッグ、洋服、雑貨に仕立てるクリエーターたち
衣koromo(伊勢市)
ichishina(伊勢市)
RP WORKS(伊勢市)
眠り屋ヒラマツ(伊勢市)
jikonka(亀山市)
●純メイドイン松阪の木綿製品
おらんせ(松阪市・松阪木綿)
●市木木綿
ふとん店主が受け継ぐ向井ふとん店(熊野市)
●伊賀組紐
親子で受け継ぐ松島組紐店(伊賀市)
●尾鷲ヒノキ
木製スピーカー中井木工(紀北町)
えびすやのおもちゃ(尾鷲市)
●県産杉の日用品
みえもん(津市)
伝統産業の担い手を育てる
1.やきものたまご創生塾(四日市市)
2.伊勢根付彫刻館(伊勢市)
対談
タニンゴトからジブンゴトへ 丸川竜也(デザイナー)×本誌編集長